mAi blog

音楽やカルチャーについて、気になることを気ままに書いています。

2017年マイベストディスク~洋楽編~

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気が付けば12月も折り返し地点を過ぎていたので、年末恒例のマイベストディスクを選んでみた(とか言いながら、2016年は年末ドタバタしすぎてスキップしたので2年ぶりだったりする)。

 『あえて洋楽・邦楽に分けて選ぶのもどうかなぁ』なんて思ったりもしたけれど、選びはじめてみたら、僕の優柔不断さが存分に発揮され、洋楽・邦楽合わせて10枚には絞りきれなかった。ということで、洋楽・邦楽に分けて10枚ずつ選んでいるのは、ひとえに僕の決定力不足ゆえ。。。

ちなみにこのマイベストディスクは以下内容に沿ってまとめている。

  1. 2017年1月~12月の間にリリースされた音源(フィジカル・デジタル両方)
  2. アルバムもしくはEP形態のものが対象(シングル形態でのリリースは除外)
  3. 10枚内での順位はなし。アーティスト名の50音→アルファベット順で記載
  4. 各ディスクには、簡単な感想とspotifyのリンク貼付あり
    spotify配信がない場合は、You TubeのMV動画を貼付

ということで、今回は洋楽編の10枚を。

1.Alex Lahey「I Love You Like a Brother」

  I Love You Like a Brother

オーストラリアのSSW・Alex Laheyのデビュー作。Cloud Nothingsを彷彿とさせる、少しもたつきながらリズムを刻むドラムに、ダウンピッキング重視のソリッドなギターが乗ったガレージパンク色強い楽曲がとても気持ちいい。 
日常におきる些細なトラブルに対する不満や地位なさ喜びを綴った気取らない歌詞も彼女のキャラクターにすごくマッチしています(”毎日が週末=Everyday's the weekend”って表現がステキ)。とにかくライブが見たい。渋谷CLUB QUATRROとかでやってくれないかなぁ。 

2.BECK「COLORS」

  COLORS [CD]

 2017年にBECKが届けてくれた、気持ちいいくらいにダンサブルでポップな傑作。これまで僕がベック・ハンセンという人に対して持っていた、多彩な音楽ジャンルをバックボーンに、ちょっとばかり小難しくてローファイな名曲を生み出す音楽オタクという認識が見事に覆された。もちろん相変わらずベースにはファンク、ソウル、ヒップホップetc.と様々な音楽がふんだんにあるわけだけど、今作はそれら全てを下地にしつつ、全曲カラフルで明るいメロディに仕上げ、潔いくらいにポップに振り切っていることが驚き。まもなく50歳を迎えようというのに、こんなに純粋に音楽と遊ばれてしまうと、まだまだ次作にも超期待しちゃいます!って感じ。思いっきりクラブでパワープレイされそうなメロディと歌詞なのに、クラブを魔物の巣窟に見立てて、囚われの彼氏(単に泥酔してるだけ 笑)をちょっとナードな感じの美少女が助けに行く「Up All Night」のMVもシニカルで最高。

 

3.GRACE VANDERWAAL「Just The Beginning」

  Just the Beginning

HONDAのCM楽曲でも話題の"ウクレレを持ったテイラー・スウィフト"ことGrace Vanderwaalの1stフルアルバム(CMの「Over The Rainbow」のカヴァーも良き)。今作では、ウクレレだけでなく打ち込みも織り交ぜて今後の音楽活動の広がりを感じさせる楽曲たちも見受けられる。ただ、どの楽曲も彼女の特徴的なハスキーボイスとうまくマッチしていて聴きやすい。13歳という年齢らしく、日常の喜びや悲しみ、悩みを歌った等身大の歌詞が、今後成長とともにどう変わっていくのかも今から楽しみ(という意味でもネクスト・テイラーなのかも)。
Red Bullのフェス中継で、「Austin City Limits」出演時のパフォーマンス見たけど、ステージ上を笑顔で飛び回りながら歌う姿は、やっぱり13歳だし、音楽が本当に好きだという気持ちが伝わってきてなんだか微笑ましい気持ちになった(微笑みながらライブを見る僕のことを、一緒に中継見てた友人たちは若干危なげな目で見てたけど・・・)。

 

4.HAIM「Something To Tell You」

  SOMETHING TO TELL YOU [CD]

1stアルバム「Days Are Gone」発売後、様々なアーティストとの客演や各地のフェスやに引っ張りだこの状況を見るに、そう遠くないうちに次作も聞けるんだろうなと思っていたら、4年も待つことになってしまったHAIMの2ndアルバム。
ただ、長期間待った甲斐のある素晴らしい出来になっていた。彼女たちのルーツであるクラシックロックやソウルへの愛を感じさせつつも、1st以上にベースやドラムといった楽器演奏のダイナミクスを押さえ、打ち込みを含めてより緻密に組み上げられた楽曲たちは、音の広がりが格段によくなった印象。一方で、曲の強弱をつける『ハッ』というダニエルの掛け声や、3姉妹のコーラスワークは健在。前作の流れを活かしつつ、今後の方向性を見せるバランスの良さも感じさせてくれる。
テイラー・スウィフトと仲良かったりして、日本でもそれなりに知名度あるからチケット売れるだろうしアルバムも出たんだから、そろそろ来日公演もしてくれないかなぁ。

5.KASABIAN「For Crying Out Loud」

  FOR CRYING OUT LOUD

ポップスやダンスミュージック、HIP HOP(グライム含む)が隆盛している2017年のイギリスにあって、活動初期からエレクトロニカとロックの融合を図ってきたKASABIANが、生演奏中心のロックアルバムをリリースしたという事実。
今作に関するインタビューでの『今多くの人の耳に響いているのは違う音楽だけど、もうそろそろいいんじゃないかと思った。だから、最高のギターロックアルバムを作りたかった』というサージの発言どおり、とにかく全面に押し出されたギター音を聞くたびに、ギターロック復権の旗手になろうとする彼らの気概を感じ取れずにいられない。僕のお気に入りは猛々しいホーンのイントロが印象的な「Comeback Kid」。今年のツアーではアンコール一曲目に選ばれることが多かったみたいだけど、その位置にうってつけのロックンロールナンバーだと思う。「SONICMANIA」のライブも今作+オールタイムベスト的なセットリストで最高だった。 

6.Liam Gallagher「As You Were」

  AS YOU WERE [CD]

聞き終わった瞬間『これを待ってたんだよ!リアム兄貴!!』と思わずガッツポーズ。これまで、どちらかといえばバンドのフロントマンのソロ活動に対して否定的な発言を繰り返してきたリアム。プライドが高い彼が過去の発言をひっくり返してまで行うソロ活動だからこそ、変な小手先の楽曲はやらず、誰しもが待っていた王道オアシス節をついに解禁してきたところに並々ならぬ気合を感じる。
ソロ活動に向けボイトレを積み、体も仕上げたということで声の伸びも(全盛期には及ばずとも)ここ数年では最高の出来といってもいいくらい。1stシングル「Wall Of Glass」オープニングのブルースハープやドンドン響くバスドラ、「Greedy Soul」の堂々とした王道ロックンロール感、「Chinatown」のフォーキーさや「For What It's Worth」の壮大なバラードサウンドなど、彼がオアシスで築いてきたキャリアをこの1枚で余すことなく楽しめる。ちなみに兄のノエルは弟とは逆に、サイケやダンスミュージックに接近した実験作「Who Build The Moon」を2017年にリリースしており、相変わらずギャラガー兄弟には音楽でも(それ以外でも)楽しませてもらえるなぁという感じですわ。

7.LIL PEEP「Come Over When You’re Sober, Pt.1」

  Come Over When You're Sober, Pt. 1 [Explicit]

 アメリカのラッパー・Lil Peepの1stアルバムにして遺作となった作品。今年の秋口、出張先で運転中にラジオから流れてきたオアシス「wonderwall」のイントロに耳を傾けていたところ、ギターに乗せて始まったのはラップ。Lil Peepが「wonderwall」をサンプリングした「Yesterday」だった。俄然興味を持って調べてみると、エモやグランジに通じるギターサウンドをサンプリングしつつトラップと融合させ、ダウナーなボーカルスタイルでラップをする”エモトラップ” の旗手だいうこと。
元々ロックが好きな僕からすると彼のトラックはとても聞きやすく、すぐにどハマり。その矢先に彼は薬物のオーヴァードーズでこの世を去ってしまった。まだ21歳という若さで。このアルバムに収められた、友人の死や鬱、自殺などをリリックテーマにし、訴えるようにラップする彼のボーカルを耳にすると、押しつぶされそうな精神状況で薬物に助けを求め、それがまた創作意欲につながる連鎖になってしまっていたのではないか、と寂しい気持ちになる。もっとこのサウンドを聞いてみたかったな。ご冥福をお祈りします。

8.LORDE「Melodrama」

  Melodrama

LORDEの2ndアルバム。1stアルバムで華やかな生活をするセレブリティたちを批判した結果、皮肉にも自分自身が批判対象と同じになってしまった彼女が出す2作目は一体どんなものになるのだろうと楽しみにしていたけれど、いい意味で期待を裏切られた。
どんなに売れてセレブリティ側の立場になったとしても、相変わらずLORDEはその中心にはいられない虚しさや孤独を歌い続けていた。正直、「Royals」を作った頃の彼女は16歳だったし、多感な10代後半をセレブ側の立場になって過ごせば、考えを少しは変わるんだろうか、なんて思っていた自分が若干恥ずかしくなる。
16歳からの4年間で失恋を経験したことも大きいのかもしれない。恋愛に対する葛藤や自分自身に対する苛立ちのようなものも歌詞からは感じ取れる。サウンド面では、出切り限り音数を少なくし、低音が響く中にささやくようなボーカルが乗ることで、ますます彼女の孤独も際立つ。個人的には「Green Light」の、ずっと抑圧されてきた感情が後半部分で爆発し、一気にダンスビートに繋がっていく感じがとても好き。あーあ、FUJI ROCKで見たかったなぁ。。。

9.PARAMORE「After Laughter」

  After Laughter

正直びっくりした。PARAMOREといえばポップパンクやエモシーンにおける、ガールズボーカルの代表的なバンドだし、僕自身も彼女たちのようなガールズボーカルバンドが日本には足りないよなぁと思っていたくらいだったから。
メンバーの脱退によるソングライターが変わったことや、思うように活動ができなかった時期の葛藤みたいなものが、彼女たちをこれまでとは全く違うバンドに生まれ変わらせたのかもしれない。シンセサイザーを前面に出して、80年代を彷彿とさせるポップなサウンドとヘイリーの力強い歌声は、意外にも違和感がない(むしろとても良い)。ただ、サウンドはポップに振り切れど、歌詞の方はというと、バンド内の不仲だった頃の状況を歌った夢を追うことへの代償等々、今のヘイリーの落ち込みっぷりを表現するものが多い感じ。ただ、ライブ見てると今のメンバーと楽しくやってそうな感じもするので、早く足場が固まって、本来のポジティブで戦う女子!みたいな姿も見せてほしいもの。あと、来年2月に8年ぶりの来日公演があるんですよ!09年にSUMMERSONICで見て以来になるので、これは行かねば。。。。

10.The xx「I See You」

  I See You [輸入盤CD](YTCD161)

 正直、洋楽では今年一番聞いた一枚。Jamieが作る、音数を増やしすぎず詰めすぎず、音と音の間を感じさせながらも踊れるビート。そのうえに浮遊するように浮かぶメロディ。そして、オリヴァーとロミーが生み出す男女の妖艶なツインボーカル。クラブでもライブハウスでもフェスでも、どこでも平等に鳴らすことのできる”オルタナティブ感”のようなものが2017年的だなと思う。
「Dangerous」の妖しげなホーン音や「A Violent Noise」のギターの乾いた響き、「On Hold」の男女のやるせない掛け合いまで全てが美しいなぁと。ここ数年で一番ライブを生で見たくて、FUJI ROCKで見てやろうと思っていたら入院で見れないという悔いが残っていたところ、来年2月に単独公演してくれるという事実に本当に救われた。ちなみに、夏の来日時にBEAMSでやったサイン会に行ったところ、The xxの公式instagramに登場できたのは良い思い出。

 

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以上が2017年に僕が選んだ洋楽のベストディスク10枚。今年は2ヶ月近く入院していたので、幸か不幸か音楽を聞く時間があってジャンル・世代ともにかなり広く聞いたつもりだったんだけど、いざふたを開けてみるとベテランの作品が目立つ10枚になってしまった。今年はそれだけベテランが気合込めた作品をリリースしたんだってことで自分を納得させている次第(本当か?)
2018年もビッグリリースの噂が飛び交っているけど、とにかくまずはARCTIC MONKIESの新作が楽しみで仕方がない!

⬇︎マイベストディスク邦楽編はこちら!

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