読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Ai_Tkgk's Soliloquy

音楽やカルチャーについて、気になることを気ままに書いています。

音楽好き同士の飲み会には「CD交換会」がオススメ!

考察・コラム

昨年初頭、飲み会帰りのツイートが思いのほかRTされました。

今回はこの「CD交換会」について、書いてみたいと思います。

まずは、この「CD交換会」が始まったきっかけについて書きたいと思います。このブログを読んでくださっている人のなかには、音小屋という名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。これは、音楽ジャーナリスト・鹿野 淳 (@sikappe) 氏が主催する音楽メディア人養成のための講座の名称です(2016年12月からは”ライブ・フェス・イベント”をテーマに、毎年5月のゴールデンウィークに埼玉県で開催される「VIVA LA ROCK」と連動した講座が始まるとのこと)。

そもそもこの「CD交換会」は、音小屋の講座のひとつとして、2013年夏に開催された「音楽の新しい聴き方、接し方、楽しみ方」(講師:音楽ライター・柴 那典 (@shiba710)氏)を僕が受講した際に、柴クラスのメンバーたちとの忘年会のコンテンツとして考えたものだったのです。

この講座では、「フィジカル音源の売り上げ落ち込みが見込まれる中、音楽ビジネスはこれからどうなる?」「Spotifyをはじめとするサブスクリプションサービスは日本で普及するのか?(講座開講当時、ほとんどのサブスクサービスが日本国内で開始されていませんでした)」「ここ数年のフェス現場における”盛り上がり”カルチャーとはなんなのか?」等々、講師も交えた13人で「これからの音楽」について、多角的にディスカッションするというものでした。

参加者を見渡してみると、”音楽好き”は共通するものの、海外エモシーンマニアや、いわゆる邦ロック好き、アイドルヲタにジャニヲタ、メロコア上がり(僕のことです 笑)まで非常に個性豊かな顔ぶれ。せっかくこんなメンバーで行う忘年会なのだから、ただ飲むだけじゃ面白くない、クリスマスも近いし音楽好きらしく”プレゼント交換”をCDでやってみよう!という半ば強引な思い付きで、みんなに提案をしてみたのです。結果として、「CD交換会」は大盛り上がり。3年経った今でも、年数回、柴クラスのみんなで集まる際には必ず行う企画になっています。

初回開催時、ただCDを交換するだけでは面白くないだろうと思って設けたひとつのルールが、この企画を面白くしたのではないかと思います。

「ルール:なぜ自分がそのCDを選んだのかを”熱く”プレゼンする」

企画発案当時、せっかく音楽好きがそれぞれ思いを巡らせてCDを選んできているのだから、ただそれを交換しあって終わり、では味気ないなぁと思ったんです。むしろ、「誰が」「なぜ」「このタイミングで」そのCDを選んだのか、背景にある各々の想い(理由)こそみんなが知りたいことなのでは?との考えにいたり、試しにこのルールを設けてみました。

それぞれが悩みに悩んで持ってきたCDについて語るその”想い”は、CDを受け取った本人の期待を膨らませるだけでなく、受け取ることができなった他の参加者の興味を描き立てるまでになったわけです(かく言う僕も、過去3年間で当たらなかったCDを7枚ほど買っています)。

このメンバーで飲み会をやるときには欠かせない企画となった「CD交換会」。今やCDを交換することよりも、どうプレゼンしてみんなを惹きつけるか、その準備に頭を悩ますほどになり(笑)、このためにみんなで飲み会をやるといっても過言ではないくらい盛り上がるコンテンツになりました。

これから年末〜正月にかけて、音楽好きの友人と忘年会や新年会をする予定がある人も少なくないはず。その際に、コンテンツに困ったらぜひぜひ取り入れてもらったら面白いんじゃないかなと思っています。上記の”プレゼン”に加えて、僕が思う「CD交換会」の面白さを以下にまとめてみます。

①普段出会えない音楽に出会える

「なにを当たり前なことを」という意見が聞こえてきそうです(笑)。読んで字の如くなのですが、少しばかり補足を。今このブログを読んでくれている誰しもが、レンタルCD屋の店内で「このCD(アーティスト)名前くらいは聞いたことあるけど・・・レンタルするのもなんだしなぁ。」と思って結局借りなかったという経験をしたことがあるのではないでしょうか。で、その中には、友達にどんなにオススメされても手が伸びない場合も、実はあるんじゃないかと思います。
ただ、「CD交換会」の場合、音楽好きだと思っている友人の、熱いプレゼン付きでモノそれ自体が手元にくるので「とりあえず聴いてみる」というハードルは、上記の例に比べると格段に下がります。結果として、普段出会わないような面白い音楽に出会える可能性はぐっと高まる訳です(その観点から考えると、参加者は偏った系統の音楽好きで集めるのではなく、オールジャンルから集めた方が面白いです)。

②「レコード屋の楽しみ」を再発見(もしくは実感)できる

この企画は”CD”交換会なので、デジタル音源ではなくCDを買ってこなければなりません。となると多くの場合、参加者はレコード屋に足を運ぶことになります(「オンラインで買ってしまえばいいじゃないか!」という意見もあると思いますが、これまでいくつかのコミュニティでこの企画を開催した結果、参加者全員が自らの足でCDを買ってきていました)。
音源配信やサブスクリプションサービス等の普及で”自らの足で音楽を手にいれる”という経験が少なくなってきているなか、レコード店内を歩き回り、該当の棚を探してCDを手に取る。その過程の中で、店員と話すこともあれば、気になっていたけど忘れていたCDを目にしたり、見たことがないジャケットに心踊ったりすることもあるでしょう。気が付いたら目的以外のCDまでレジで出していることもあるかもしれません(ちなみに「CD交換会「をやると、高確率で買う予定のなかった交換用CD以外のCDを買ってくる人が複数います)。「CD交換会」をとおして、かつては当たり前だったレコード屋でCDを買う楽しみを再発見(人によっては初体験)することができるのです。
今年、Hi-STANDARDが16年ぶりのシングルを告知一切なしでレコード屋店頭のみで発売(後日、通販解禁)したり、Mr.Children桜井和寿がライブで訪問した街のレコード屋にサイン入りステッカーを配布、その店でのCD購入者にプレゼントするという「I❤︎CD shops!」というプロジェクトを始める等、レコード屋を訪問する仕掛けを行なっていることも、こういう面白みの再発見に通じるのかもしれません。

最後に、僕がこれまでの「CD交換会」でもらったものの一部を紹介したいと思います。どれも普段は直接購入はしないものばかりですが、今でも楽しみながら聴いているお気に入りの1枚たちです。

黒木渚「標本箱

f:id:Ai_Tkgk:20161113202617j:plain

 

バンド形態からソロ名義になって初めてのアルバム。バンド時代もあまり聴いたことがなかったのだけれど、幼い頃から小説家に影響を受けたという詩的な歌詞に引き込まれました。

The Joy Formidable「Wolf's Law」

f:id:Ai_Tkgk:20161113202832j:plain

イギリスのオルタナロックバンド。情熱的で重みのあるサウンドとクールビューティーなリッツィの対比が美しい。これをもらったきっかけで知って、この後の作品も全て買っているバンド。

SMAP「Mr.S」

f:id:Ai_Tkgk:20161113204223j:plain

SMAP、シングル曲はほぼ全部知っているものの、アルバムは初めて聴きました。各メンバーのソロ曲の個性豊かさや、作曲陣の豪華さにハマり、他のアルバムも聴くきっかけを作ってくれました。

 

と、ほかにもまだまだもらったCDは多いのですが、全部紹介していると終わらないのでこの辺で。音楽好き同士なら盛り上がること間違いなしな「CD交換会」。ぜひ試してみてください!

※このブログは、2015年1月にOTOZINE | オトジンに掲載頂いたコラムを一部修正・加筆したものです。