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Ai_Tkgk's Soliloquy

音楽やカルチャーについて、気になることを気ままに書いています。

定額制ライブ行き放題サービス「sonar-u」について

■ライブにも定額制サービスがスタート!?

2015年9月サービスリリースに向けて、定額制ライブ行き放題サービスである「sonar-u」のプレサイトが6月からオープンしているようです。

定額制ライブ行き放題サービス|sonar-u(ソナーユー)

 15年6月に入り、AWALINE MUSIC が立て続けにサービスを開始し、7月1日にはApple Music もスタートと、ここにきて(海外からはだいぶ遅れを取りましたが・・・)日本にも定額制音楽聞き放題サービスの波がやってきたなぁと思っていましたが、このタイミングで定額制の”ライブ行き放題”サービスまで始まるとは、あまりの速さにちょっとびっくりしました。

サービスの本格開始まではまだ時間があるということもあり、プレサイトでは情報が断片的ではありますが、気になるサービスということもありちょっと調べてみました。

 

■「ユーザー」「アーティスト」「オーガナイザー」3方向に向けたサービス展開

プレサイトを見た感じ、「sonar-u」はユーザー、アーティスト、オーガナイザー(=イベンター)の3者に対してサービスを提供しているようです。現時点で把握できるサービス概要を上記3者に分けて以下にざっくりまとめてみます。


【対ユーザー】
ユーザーは3種類のフリーパス期間(1ヵ月、2カ月、3カ月)を選択し、期間に応じた金額を支払う。それぞれの価格は1ヵ月:1,800円、2カ月:3,400円、3カ月:4,800円。sonar-uサイト上で支払い予約、予約後に現地(ライブハウス)で支払う形式。
・現地支払をした日からフリーパス期間がスタート。ユーザーが選択した期間内はsonar-uサイト内に掲載されているライブが無料で楽しめる。但し、ライブによってはドリンク代(500〜600円程度)等別途費用がかかる場合がある。
・フリーパス購入後は、ライブの参加予約はsonar-uサイト上から行う。キャンセルは前日までにサイト上から行う。
・ユーザーは参加ライブのレビューをsonar-uサイトに掲載が可能
・ユーザーは登録アーティストの中から特に応援したいアーティストとして「サポートアーティスト」を選定できる。

 

【対アーティスト】
・運営事務局による審査通過後、sonar-u登録アーティスト(u-artist)となる。
sonar-u主催、もしくはsonar-u登録オーガナイザーの主催イベントにノルマ0で出演が可能(ライブ活動の積極化促進)
sonar-uユーザーが選定する「サポートアーティスト」となると、当該ユーザーの月会費の一部を受け取ることができる(活動サポート)。
sonar-u提供の全てのライブ、イベントに無料で参加可能(新規出会いの創出)。


【対オーガナイザー】

・運営事務局による審査通過後、sonar-u公認オーガナイザーとなる。
・自らのイベントにu-artistを出演料なしでブッキングできる(ブッキングの円滑化)
sonar-uにてイベント告知が可能。アーティストサポーターからの情報拡散も期待(宣伝効果増)
・u-artistブッキングにより、sonar-uユーザーのイベント参加が見込める(集客力増)

 

▪︎現時点で考えられる課題点、Sonar-uに期待したいこと

本サービスの特徴は、言うまでもなく「フリーパス期間中はチケット代なしでライブを見れること」(かつ、比較的低価格)になります。そこから考えると、登録ユーザーのボリュームゾーンは、比較的イベントに行く時間を取りやすい「学生」になるのではないでしょうか。

その場合、別途発生する費用の積み重ねがどの程度参加行動に影響を与えてくるのかはこのサービスの趣旨実現に向けて大きなポイントになってくるのではないかと思います(毎回ほぼ500円かかるとしたら学生には結構厳しいのではないでしょうか)。さらに、(細かい部分にはなりますが)キャンセル手続きについても、サイトから直接できるのではなく事務局に都度メールを送らなければならないという手間がかかるため、スマホ世代には面倒くさく感じ無断キャンセルが発生する危険性もある気がしています。

また、「サポートアーティストの仕組み」は、登録アーティストにとってはとても重要な関心事になるでしょう。現時点での情報では、アーティストがsonar-uから得る事ができる収益はサポートアーティストに選ばれた場合のユーザー月会費の還元のみだからです。Sonar-uに参加することで、長期的に見ればファン獲得や自分たちの出演イベントへの集客が見込めるとはいえ、毎回無料のライブを続けていくモチベーションを維持していく事はとても大変なことだと思います(ともすれば、同じ時間を少しでも収益が上がる別のイベントや自主企画に使おうと思い立つアーティストも現れるでしょうし)。

運営側の運営費や収益を考えると、1人あたりのユーザーから得られる還元額はそう大きなものにはならないと思いますが、それゆえ1ユーザーあたりが選定できるサポートアーティスト数やどのような手続きでサポートアーティスが選出されるかという仕組みの見える化は、sonar-uを成立させ続ける基盤となるアーティストの囲い込みにとって非常に重要だと思います(余談ですが現時点での情報だけ見るとu-artistのブッキングが無料ででき、一方で自主企画のチケット代は得ることができる公認オーガナイザーが一番得している気が・・・・)。

「新しい音楽との出会い」という同じコンセプトを持ちながらも、いつでもどこでも手持ちのデバイスからアクセスすることができる定額制音楽聴き放題と比べ、ある程度まとまった時間が必要かつ会場に足を向かわせねばならないライブ見放題では、環境設定に大きな差があるように思います。しかしながら、聴覚だけでなく触覚や視覚、嗅覚も含めた「場」でなければ体験できない出会いというものがライブハウスには確かに存在するわけで、それらとの接触機会を増やそうとするSonar-uの想いは共感できるし、応援していきたいとも思っていますので、今後もウォッチしていこうと思います(とりあえず、まずはプレサイトに登録しました)