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Ai_Tkgk's Soliloquy

音楽やカルチャーについて、気になることを気ままに書いています。

2014年マイベストアルバム〜邦楽編〜

総括 邦楽 企画

前回のエントリー・2014年のマイベストアルバム(洋楽)に引き続き、今回は2014年のマイベストアルバム・邦楽編です。 ※このベストアルバム企画は音楽だいすきクラブの2014年ベストアルバム企画にも参加予定。

ちなみに当ブログでのベストアルバム企画のルールは以下の通り。

対象アルバムは2014年1月〜12月に発売されたもの(洋楽の場合、国内盤発売が対象期間内に該当)
①に該当したアルバムの中から、「僕個人」が特に影響を受けたものを1位〜5位まで選出(ゆえに、売上げ枚数とか話題性、シーンへの影響度とかの考察ではないです)

前回同様、昨年(13年)の邦楽マイベストアルバムは以下の通りです(昨年は、順位をつけず5枚のノミネート作品からベストアルバムを1枚選出する方式でやりました)。

【ベストディスク】 bloodthirsty butchers / youth
【ノミネート】 クリープハイプ / 吹き零れる程のI、哀、愛 BRAHMAN / 超克 チャラン・ポ・ランタン / 悲喜劇 MOROHA / MOROHAⅡ

ということで、以下が今年の5枚です。

 

(5位)THE BAWDIES / Boys!

 

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このアルバム、あまり話題になってないことが意外です、正直。 13年年末から14年初めにかけて盛り上がった音楽におけるルーツ問題なんてものもありましたが、今の邦楽ロックシーンにおいて自分達のルーツを参照しつつしっかりと自身の音楽に落とし込んでいるのが彼らとOKAMOTO'Sだと思います(若手だとgo!go!vanillasもいい感じ)。 3月にリリースした「GOING BACK HOME」で自分たちのルーツである50-60'sロックをこれでもかというくらいに楽しげにカヴァーしまくったこともあるのか、リズムギターのカッティングとリードギターでリフをしっかりと鳴らすシンプルなロックンロールの格好良さが、これまで以上にストレートに伝わってくるアルバムです。 特に、アルバムリード曲の「kicks」は、冒頭から続くリフと「HEY!」「pa!pa!pa!」等の随所にちりばめられたシンガロングポイントが、彼らの敬愛するルーツミュージックと今のロックシーンのテーマのひとつである「一体感」みたいなものが見事に溶け合っているナンバーに仕上がっていて最高です!

 

 

(4位)DRAGON ASH / THE FACES

 

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97年のデビュー以来、常に新しい音とカルチャーを生み出す切り込み隊長のようだったDragon Ashも、気がつけば多くのフォロワーを持つベテランバンドとして後輩達から憧れられ、また鼓舞していく存在になっています(実際、ここ数年、彼らの初期の代表作であるViva La Revolutionをライブで披露する際、「駆け抜けよう共にこんな時代 繰り返すのは僕らの世代」を「繰り返すのは"君ら"の世代」と言い換えて歌うところが印象的です)。 ここ数年の彼らは「ロックバンドの格好良さの再提示」をテーマに掲げているように思えます。そんな彼らが今作でたどり着いたのは「原点回帰」なんじゃなかろうかと。最初期のアルバムに多く見受けられた楽器の生音にこだわる骨太な楽曲が多いうえに、最近の若手バンドに見られがちな若干後ろ向き・女々しさを感じる歌詞とは正反対な、前向きで泥臭く男らしいメッセージが強く打ち出されています(昨年のCDJで上半身裸で髪を短く切り込んだkjが「どいつもこいつも前髪垂らしたロックやってばっかだ。ロックバンドの格好良さ、見せてやるよ!」ってMCしてたのが印象的です)。特に、ライブ現場の滾る気持ちをぶっとい音と飾らないストレートな言葉で歌い上げる「The Live」は、間違いなくこのアルバムのハイライトです。

 

 

(3位)the HIATUS/Keeper Of The Flame

 

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世代的にもELLEGARDENに少なからず影響を受けていた僕は、正直ハイエイタスの1stを聴いて苛立ちすら感じていたんです。バンド止めてまでやりたかったバンドがこれか、と。エルレでやれることなら人変えてやるなよ、と(これは思い入れが強すぎるが故の話なんですが)。 でも、このアルバム聴いて「the HIATUSとはなんなのか」がようやくわかった気がします。それぞれキャリアもテクニックも円熟しているメンバーを集め、空間的な広がりを意識した音の構築やシンセを中心に様々な音を重ねあわせて「ゆらぎ」を表現していくさまは、まさにハイエイタス唯一無二の音です。リードシングル「Horse Riding」は圧巻で、ポリリズミックなドラムにアコースティックの旋律、ピアノが絡まりあって盛り上がっていく構成に「あぁ、ハイエイタスでこういうことがやりたいのか」と深くうなづいてしまいました。このアルバム出てからライブを見てないので、どう表現されるのか楽しみです。

 

 

(2位)大森靖子 / 洗脳

 

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夏のFUJI ROCKでカノジョのライブを見て以来、心をがっしりと掴まれてしまいました。 2014年の夏、各地のフェスに出るたびにセンセーショナルな話題を振りまき、その破天荒な行動(実際にはそれもしっかりとした意図に裏打ちされてるわけですが)にばかり注目が集まっていた大森靖子。そんなカノジョがいかに音楽的に成熟しているかということを見せつけたのがこのアルバムだと思います。即ち、カノジョを語る上で注目すべきはその破天荒さではなく、その溢れんばかりの音楽的センスだということ。前述の行動は全て、その音楽を聴き入らせるための手段でしかないのですから。 僕は、大森靖子という人はとても頭が良くて1フレーズ選びの天才だと思っています。例えば「ノスタルジックJ-POP」では「新曲いいね 踊れないけど」と今のロックシーンを皮肉ってみたり、「きゅるきゅる」では「ググって出てくるとこならどこへだっていけるよね」とインターネット検索社会の本質のなさを揶揄ってみたり、「デートはやめよう」では「コンビニで一番高いアイスでエロいことをしよう」と小悪魔風に見えて不器用な女のコを生み出してみたり。。。。カノジョの言葉選びひとつひとつが色鮮やかに楽曲を浮き立たせます。 正直、今のJ-POPシーンにおいて頭が切れる上で行動を仕掛ける彼女の存在は異物感がかなりあるわけですが、その異物感は今確実に必要なものなんだと思います。15年、さらなる飛躍をすることは間違いなしですね。

 

 

(1位)ROTH BART BARON / The Ice Age〜ロットバルトバロンの氷河期〜

 

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森は生きている、吉田ヨウヘイグループ等々、今年は東京のインディーシーンに光が当たった年でした。そんな中でもダントツでROTH BART BARONを聴いたなぁという実感です。こういう東京のインディーシーンが注目されているのって、ここ数年邦ロック(あえてこう書きます)のメインムーブメントになりつつある四つ打ちシーンへの反動だと思うんです。ROTH BART BARONの音楽は、管弦を何重にも重ねながら高音でよく伸びるファルセットを乗せて歌うことで一聴するとすごく異国情緒、特に北欧を感じさせる壮大な楽曲を作り上げます。ただ、彼らの音楽を通して見えてくる風景は北欧のそれでなく、寒風吹き抜ける無機質な日本のビル街や農村の温かい光だったりして、実はものすごく「日本の音」を鳴らしてるんじゃないかと思うんです(実際、Vo.の三船君曰くロットの音楽は昭和初期の唱歌に影響を受けているとのこと)。 アルバムタイトル自体は「氷河期」なんだけどアルバムが進むにつれて雪解けが始まって暖かさが増し、最終曲の「オフィーリア」が始まる頃には春の陽光が差し込んでいるのも不思議。

 

 

今年は個人的にも結構「原点回帰」を意識した年でした。ここ数年、音楽の趣味の幅がどんどん広がって、新しいジャンルやミュージシャンとの出会いが増えている一方で、原体験となる中学・高校時代にそれこそ盤が擦り切れるまで聴いたロックミュージック(いわゆるロッキンオン周り)に触れることが少なくなっていたなぁと感じていました。そこで、今年はあえてそういうバントたちの新作はできる限り聴く、みたいなことを繰り返してきました。結果、ものすごくいい作品たちが出ていることも知れたし、色々なことに対する許容性が広がっている自分にも気がつけました。 来年も選り好みせず、本当に色々な音楽に触れる中でグッドミュージックに出会っていけることを期待しています!!(と、最後はグダグダになっちゃいました・・・・笑)